鮮やかに色づいていた葉っぱも散り、外は厳しい寒さになってきました。12月は「師走」とも呼ばれるように、あっという間に過ぎ去っていき、そして新年を迎えます。最近、お店をのぞいてみれば、ちらほらと犬の縁起物が置いてあります。そう、来年2018年は「戌(いぬ)年」です。
- 海外でも大人気の日本犬
犬は昔から人とともに生活してきた、忠誠心の高い動物です。ペットで飼うなら犬がいい!という方も多いのではないのでしょうか?今回はその「戌」について、調べてみました。
十二支物語と戌年
干支といえば、十二の動物たちが競争する話、十二支物語をご存知の方は多いかと思います。その中で戌年にはこんなお話があります。「犬猿の仲」という言葉があるように、戌と甲(さる)は競争の途中で大喧嘩を始めてしまいます。その仲裁に入ったのが酉(とり)だったため、9番目は甲、10番目は酉、そして、戌は11番目となっているのだそうです。桃太郎のお供も「猿」「キジ」「犬」となっているのも、なかなか面白いですね。
ちなみに、戌年の人と甲年の人の相性は悪いということはなく、むしろ気が合い、お互いに成長していける良い相性だそうです。
- 酉(とり)は仲裁役?
戌の日の安産祈願
「戌の日」とは12日に一度巡ってくる日のことです。今月12月の戌の日は1日(金)・13日(水)・25日(月)となっています。住む地域によって違いはありますが、妊娠5か月目に入った妊婦さんは最初の戌の日にあやかって、神社やお寺で腹帯を巻いて安産祈願をするという習わしがあります。これは犬はお産が軽く、一度にたくさんの赤ちゃんを産むことからきているのだそうです。
- 竹籠をかぶった犬張り子
また、安産祈願の縁起物として、「犬張り子」というものがあります。病気や死産で赤ちゃんを亡くしてしまうのが珍しいことではなかった昔は、赤ちゃんの健やかな成長と魔除けの意味を込めて、犬張り子を産室や赤ちゃんの枕元に置いていたそうです。ちなみに、犬張り子には竹籠をかぶったものがあり、これは「竹」と「犬」という字を合わせると、「笑」の字に似ているので、「こどもが明るく、笑顔を絶やさず、若い竹のようにすくすく成長しますように」という意味があります。
2018年はどんな年?
日本では干支=十二支となっていますが、本来は「十干(じっかん)」と「十二支」を合わせたものを「干支」といいます。なので2018年は正確には「戊戌(つちのえいぬ)」といいます。十干の「戊」は「茂」という字に通じていることから、植物の成長が最盛期の状態を表し、十二支の「戌」は「滅」という字に通じていることから、草木が枯れる状態を表してるのだそうです。このことから、今年は成長するか、枯れてしまうか、人によって大きく変化してしまう年になるかもしれません。
2018年を枯らさずに、大きく成長する年とするために、真面目にコツコツと努力して、よい芽を出していきたいですね。