夜ごとの虫の音に、深まりゆく秋を感じるころとなりました。秋は空が澄みわたり、星や月がきれいに見える季節ですよね。特に月がきれいに見える日として、中秋の名月「十五夜」が有名ですが、次いで月がきれいに見える日、後の名月『十三夜』を皆さんご存知ですか?今回は、後の名月『十三夜』についてご紹介します。
中秋の名月「十五夜」と後の名月『十三夜』
中秋の名月として知られている「十五夜」は、9月7日から10月8日の間で満月が出る日のことで、もともとは貞観年間(859~877年)ごろに中国から伝わり、貴族の間に広まったものが起源とされていますが、後の名月こと『十三夜』は、日本独特の風習とのことです。
『十三夜』の始まりには諸説あり、延喜19年(919年)に宇多天皇が「十五夜」の宴に加えて、旧暦の9月13日にも観月の宴を開いたことが始まりという説や、秋の収穫祭の一つだったという説などありますが、はっきりとした起源はわかっていません。そんな『十三夜』は、9月中旬で台風や秋雨前線の影響などであまりきれいに月が見られないこともある「十五夜」と違い、“十三夜に曇りなし”という言葉まであるように、空気が澄み、天気も崩れにくいので、きれいに月を鑑賞できる日です。
- お月見団子
「十五夜」を見たら『十三夜』も!?
昔から、「十五夜」にお月見をしたら『十三夜』も必ずお月見をするとされていたそうです。最近では、『十三夜』の存在を知らない方も多く、「十五夜」だけお月見をされる方も多いかと思います。
どうして昔から「十五夜」にお月見をしたら『十三夜』も必ずお月見をするのかというと、片方の月だけを鑑賞することを“片月見”と呼び縁起が良くないとされていたからです。今年、「十五夜」にお月見をされた方は『十三夜』もお月見を忘れずに。2019年の『十三夜』は、10月11日(金)です。
秋の夜長、美しい月と共に秋の味覚を満喫してみてはいかがでしょうか。